ハッピーエンドホリック

好き勝手に幸せを求め続けてたいよね

「Just Because!」の様式美のようなものが好きだ

そんな青春欲しかったよね

 

比村奇石なのに全然おっぱい感なくてびっくりしたんだけど、それは置いといて。「Just Because!」は設定として特別なことはまったくないんですよね。普通の高校生が普通に青春して、普通に大学生になっていく。中学生のときに同級生だったけど、転校して4年ぶりに戻ってきた泉とか中学からの片思いを引きずってる夏目とか。出てくる部活も野球部に吹奏楽部、陸上部と写真部ってすごくわかるっていうか、つまりその要素自体はほとんど目立たなくてありふれてる。

 

キャラ付けみたいなのって全体的にそんなに強くないような気がして。だからこそ、小さなすれ違いとか感情の動きとかそういう部分に集中できるというか。

 

ホームラン打ったら告白する相馬とかいかにもっぽくないですか?野球部っぽい願掛けですごい好きなんですよね。それに髪形を変えると雰囲気が変わって一気に人気が出る優等生の森川もいい、それっぽい。

 

それで夏目が相馬を好きなことの思い出として出てくるのが消しゴムの話って、「恋と嘘」のときも思ったけど、ど定番入れてきたよね。食パンくわえて曲がり角でぶつかるレベルだと思う。

 

初対面から馴れ馴れしいけど、実は健気で女の子らしさがある小宮とかもう最高じゃないですか。「せんぱいっ!」って感じわかりますかね。小さい「つ」とびっくりマークがつく感じ。バレンタインのときに夏目は買ったチョコレートで小宮が手作りのチョコレートなあたりとか、特に夜に走ってる泉に飲み物渡すためだけに待ってる小宮は可愛すぎるでしょ。それと写真を撮っているときの真剣な表情。あれで好きにならないのはもはやホモ。

 

でも、泉がずっと夏目を好きでそれがちゃんと成就するのはそれはそれですごくいいんですよ。泉と夏目がお互いに相手に合わせて志望校を変えるってのは、少し遠回りなようで、でもずっと秘めた気持ちを口に出さないでいた二人らしくないですか?ずっと泉が夏目を追いかけていて、最後は夏目が泉を追いかけるように同じ大学に進むとか気持ちの矢印が返ってきたなっていう感覚。

 

全体的にどれだけうまくすれ違いを作ってそれをどういう風に見せるかっていうのが大きいんだけど、だからこそ気持ちの揺らぎとか表情の変化とかそういうのがめちゃくちゃ刺さるようにできてますよね。Amazonプライムのレビューにもありますが、7話の夏目が小宮に向かって言う「ダメ……」のセリフは悶絶します。

 

ときメモに毒されたオタクなので桜の下で告白ってだけで満点なんですけど、口元の動きだけを映すってのがいかにもこの作品らしくて、もう素晴らしいよね。受験の合格発表のときの泉と合わせて、ああって息がもれる感じ。

 

「あいつを好きな君の横顔が、たまらなく綺麗だったからーー」ってコピーもいいよね。好きなひとがいるだけで、ひとは変わるんだよっていう恋愛のプラス要素と横顔ってことは相手の視線に自分が入ってないっていう切なさとかそこからこちらに振り向いてもらうためのあれこれとか、なんていうか恋愛したくなるよね。こういうの見るたびに共学の学校に入らなかったの後悔するから、今すぐ中学生からやり直したい。

 

いい感じに心が苦しくなったので、次は「月がきれい」を見ます。